設定目的
モミ・ツガを主林木とする,典型的な暖帯常緑針葉樹の天然生林。制限林。
設定年度・設定経緯・歴史
かっては藤堂藩の領地として,治山治水のために自由伐採が禁じられていた。廃藩置県後は国有林となり,保安林としての施業が行なわれ,1925年(大正14年)に演習林に移管。1948年(昭和23年)保安林が解除され施業計画が編成されたが,当該林分はほとんど伐採されず,1972年学術参考,自然保護,環境保全のために制限林に編入されて現在に至っている。
自然環境 (気象の観測値は,標高513mのもの)
標高 450-980m |
傾斜 10-45度 |
気温 12.4℃(年平均気温) |
方位 SSE-SSW |
年降水量 2,486mm |
地質 黒雲母角閃石花崗閃緑岩 |
雪 最大積雪58cm |
土壌 斜面下部はBD-BD(d)型。斜面上部はBB-BC型。BB,BC,B1 |
森林の内容
森林の種類 |
天然生林 |
主な樹種 |
モミ,ツガ |
その他の樹種 |
ウラジロガジ,サカキ,ヤブツバキ,シキミ,アセビ,ヤブニッケイ,ミズメ,アカシデ,クマシデ,エゴノキ,ケヤキ,ヒメシャラ,マルバアオダモ,ミズキ,リョウブ,カラスザンショウ,フサザクラその他。 |
更新年・林齢 |
推定年齢 200-250年 |
施業内容 |
斜面下部の一部分は,薪炭材等のために軽い伐採をうけたようだが,大部分は伐採されていないようだ。現在は制限林として伐採の対象としていない。 |
林床の状態 |
斜面下部には,ミカエリソウの群落が散在。弱乾燥の立地には,コアジサイの群落がみられる。クロモジ,ガクウツギ,ナガバモミジイチゴ, ヤハズアジサイ,ヤブムラサキ,ヒサカキ,コバノガマズミ,ミヤマシキミ,イヌツゲ他が散在する。 |
林分の特長 |
典型的な暖帯常緑針葉樹林で,斜面下部にはモミが,また凸地にはツガが分布している。亜高木層以下には常緑広葉樹が多く,モミ,やツガの若木は少ない。更新途上の建設相の部分には,カラスザンショウ,ミズメ,エゴノキ,キブシ,クマシデ,アワブキ,フサザクラなどが多い。ヤハズアジサイなどのソハヤキ要素も含んでいる。 |
樹木の計測 (1987年調査)
最大胸高直径 |
約96.5cm(モミ),約85cm(ツガ),約49cm(ウラジロガシ) |
樹高 |
約33m(モミ),約25m(ツガ),約15m(ウラジロガシ) |
材積・本数等 |
詳細なデータ無し |
|